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2008年7月23日 (水)

キミ

セミ、鳴いてます。夏、真っ盛りです。
夏になると目いっぱい生きてます。
キミ達、うるさいです。。。

セミと一口に言っても、いろんな種類がいる。最もポピュラーなアブラゼミの場合、幼虫の期間は七年くらいらしい。で、幼虫から、孵化して二週間くらいの命らしい。

幼虫の期間は土の中でジッとしているんだからかなり退屈で窮屈なものだろう。

七年間、我慢してやっと出てきたと思ったら「煩い」と疎まれ、子供たちには追い掛け回され。捕まろうものなら虫かごで一生を終える。人間で言うところの重犯罪人の扱いを受ける訳だ。せつない。

僕は、昆虫は苦手なので子供の頃も触るのが怖かった。手の中で「ミ、ミ」って言われるだけで、ゾッとした。近くでマジマジと見るとエイリアンみたいに思えた。見るだけならまだしも触るのは耐え難い恐怖だった。

数年前の夏の日のある朝の出来事。

うだる様な暑さだった。例の如く、バイク通勤している最中。
軽快にバイクで走っている時に突然の腹痛に襲われた。最寄のコンビニへ。店員には目もくれずにトイレへ。
・・・
トイレに入った途端に気が付いたことが一つあった。僕のスーツにセミがくっついている・・・

僕は真夏でも上着を着るナイスガイだ。しかし、、、こりゃ、、、どうなってんだ。と、考えるが腹痛の原因を解決するのが最優先だった・・・まず上着を脱ぎ、トイレの床に投げ捨てた。もちろんセミが、上着の下側になるように。用をたしてる最中、上着の下にセミがいると思うと気が気ではなかった。腹痛のほうはお蔭様で事なきを得ました。

さて、どうしよう。僕は、そっと上着を持ち上げた。セミは、おとなしく上着にしがみついていた。

コンビニのトイレって二重扉になっているところも少なくない。そのコンビニも、それであった。僕は一枚目の扉を、そっと開け、スーツを持った方の腕だけを扉の内側に残すようにし、おもいきりスーツを振り回した。そうして腕を引き入れ扉を閉めた。
スーツにはセミの姿は、なかった。何食わぬ顔でコンビニを出た。

コンビニのトイレを借りたことがある人なら解ると思うが大体、窓がない。防犯やらなんやらの関係であろう。

僕は・・・二週間前後の命を・・・セミを・・・コンビニのトイレに閉じ込めた・・・

トイレ・ニ・トジコメタ・・・

スーツにしがみついている時も、スーツの下敷きになっている時も、スーツを振り回した時も、「ミ」の鳴き声を発する事はなかった。あの後、トイレで合唱が始まってないかは、今の僕には知る術がない。

セミ、鳴いてます。夏、真っ盛りです。
夏になると目いっぱい生きてます。
キミ達、うるさいです。。。

しかし、日本の夏にはキミ達が必要なのですよ。

煩がられようが、追い掛け回されようが、トイレに閉じ込められようが、今年も目いっぱい生きてください。

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