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2008年9月 6日 (土)

良かれ

良かれと思ってやったことが全く役に立たないことだってある。それどころか迷惑を掛けてしまうこともある。

だけど、「良かれ!」と思ってやったんだ。それだけはわかっておくれよ。

人は何でも自分の物差しで物事を計ってしまいがちだ。自分の中の常識が他の人達にとっても常識であり、通用することだと思い込んでいる部分がある。

"普通"と呼ばれる枠の中に入っている平凡な自分に安心する部分と、"普通"の枠に納まらない自分の個性の部分に対して何やら優越感や劣等感を感じる。そして自分の中の"普通"の枠が世間一般の常識と近ければ万人にとって通用するものだと思い込んでいるところがあるのだ。

善意とは、世間一般の"良い"とされる枠の中に納まっていることを他に向け発信する行為だと思われる。自分の個性の部分でなく平凡の部分の物差しで計るべきなのだが、稀に個性の部分で善意を行ってしまう人がいる。しかしそれは紛れも無く純真な善意であり気持ちとしては有難く感じるものだ。

茹だるような暑い夏。僕はいつものように通いつめた喫茶店で昼食を取る。数年前、職場が変わる前までは毎日のように通いつめ曜日毎に決められた日替わりのランチを注文する。毎曜日、同じメニューで少々飽きてはきてはいたが、僕は頑なに日替わりランチを頼んだ。他にもメニューはあるのだが、店の意向としてはランチを少しでも消化させたいものがあるのだろうと思っての行為だ。僕なりの善意だ

そのうち店のおばちゃんとも仲良くなり、店が暇な時などには軽口を聴くようになった。どうやら僕はおばちゃんに好かれたらしく僕のプライベートな部分にも立ち入ってくるようになった。やれ結婚はしているのか、やれ彼女はいるのか、やれ晩御飯はちゃんと食べているのか。そう言った具合にいろんな話をするようになった。

そして、客が少ない日には食後のコーヒーをサービスで出してくれるようになった。本来ならば食後のコーヒーは200円なのだが僕にはサービスで出してくれた。

おばちゃんの心の温かさが伝わってくるような熱いコーヒーだ。

そう。茹だるような暑い日に・・・

僕は汗だくになりながら食後の暑いコーヒーを飲み干した。

おばちゃんのその気持ちは、紛れもなく善意だ。何も見返りを期待することのない純真な気持ち。僕にとって「良かれ!」と思ってやってくれた行為だ。

僕は汗だくだった。

そう。それは紛れも無く善意だった。

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